「損益通算」、「繰越控除」という言葉を聞いたことはありますか。
仕組みをうまく利用することで株式や投資信託の税金を節税することができます。
今回は、その仕組みについて確認してみましょう。
損益通算とは
損益通算とは、年間の取引で発生した利益と損失を相殺することです。
通常は、取引で利益が出た場合、利益に対して税金が課税されます。
一方で損失が出た場合、それを利益と相殺することで一度納めた税金を取り戻すことができます。
特定口座(源泉徴収あり)を開いていた場合
A証券会社 2018年2月1日XX社の株式売却 100万円の利益譲渡所得税
20万3150円(税率20.315%)
B証券会社 2018年10月1日YY社の株式売却 250万円の損失
今回の場合、A証券会社にてXX社の株式売却による利益100万円のうち、
譲渡所得税として20万3150円が徴収されている一方で、
B証券会社ではYY社の株式売却による損失250万円が発生しています。
この損失を確定申告することで、
XX社の株式の売却益を100万円に対する譲渡所得税20万3150円が還付されるのです。
取引をする際に選択する口座について
〇特定口座(源泉徴収あり):利益が出た場合、
証券会社が自動的に税金を計算して納税してくれます。
〇特定口座(源泉徴収なし):自分自身で確定申告をして納税する必要があります。
〇一般口座:自分自身で確定申告をして納税する必要があります。
ポイント
NISA口座内で発生した損失は、
特定口座の利益と損益通算することができません。
繰越控除の特例
繰越控除の特例とは、取引の際に出た損失をその年に控除しきれない時、
翌年以降にその損失を繰り越して、
翌年以降の利益から控除することができる制度です。
現在は、翌年以後最長3年間繰り越すことができるようになりました。
繰越控除の順番は、まず株式の譲渡所得の金額から控除して、
なお控除しきれない損失がある場合に株式などの配当所得の金額から控除します。
注意点は、株式などの譲渡がないない年も、
譲渡損を翌年へ繰り越すために確定申告をする必要があることです。
一般的には、特定口座(源泉徴収あり)で取引する方が多いでしょう。
確定申告をすることで自分自身の経験値アップにもつながっていくと思います。
ポイント
相場が大きく変動して損失が出てしまった場合は、確定申告をして賢く節税しましょう。
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